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今回の合宿でも、多くの人たちとのすばらしい出会いがありました。 訪問先の皆様をはじめ、多くの方にお世話になりました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。 ★合宿計画
実施日程1日目(9月14日(木))14:00 JR古川駅改札口 集合 14:30 大崎市 醸室(かむろ)を視察 17:00 NPO法人 TERAKOYAを訪問・見学 大崎市内のホテルに宿泊 2日目(9月15日(金))大崎市から松山町へ電車で移動 松山町の株式会社 一ノ蔵 を訪問・見学 NPO法人 仙台夜回りグループ を訪問・見学 仙台市内のホテルに宿泊 3日目(9月16日(土))朝食後、解散
☆報告 第1日
1日の流れJR古川駅→醸室(かむろ)→NPO法人TERAKOYA→交流会(夕食)→宿泊(大崎市内)
醸室(かむろ)訪問
一日目はJR古川駅から徒歩5分にある醸室(かむろ)を訪問しました。醸室とは、江戸末期からある酒蔵を復元改修した建物で、3つの母屋、1つの離れ、10ある蔵をテナントに貸し出しています。平成17年6月にグランドオープンし、食べ物屋が多いことから「大崎のフードテーマパーク」とも呼ばれています。
古川商工会議所地域振興課の田中源一さんより、醸室の事業についてお話を頂きました。 醸室の事業化は平成10年7月の中心市街地活性化法の施行を受け、衰退化が著しく進行していた古川中心市街地を活性化するために行われました。県・市・商工会議所と商工業者が出資し、運営は第3セクターである株式会社醸室が行っています。 役員は全員無報酬で、テナントからの家賃により運営を行っているそうです。
醸室の代表取締役社長佐々木愛一さんに醸室の中を案内して頂きました。
醸室内にはこのような蔵がいくつもあります。
どの店も個性的で、とてもおしゃれでした。 下の写真の「カイロの紫の薔薇」の店では蓄音機で、実際に音をならして下さいました。
昼間は親子連れや年配の方が多かったのですが、夕方になると駄菓子などを売っている「茶屋処いっぷく」(写真下)には、部活帰りと見られる中学生達が集まっていました。 醸室は地域の人々の集いの場になっているようです。
醸室の外には、歌枕として有名な緒絶川が流れています。
NPO法人TERAKOYA訪問NPO法人TERAKOYAの専務理事木村高士さんよりお話を頂きました。 醸室の一角でTERAKOYAは活動しています。地域の人々(主に子ども達)の生涯教育の場を提供するために結成されたNPOで、各分野の専門家による講演やイベント、コンサートなどが行われています。 青年会議所や地域のボランティアと協同し、地元の小学生ら100名以上が大崎地方約100キロの道のりを自分の足で歩きとおす「おおさき100キロ徒歩の旅」というイベントも行っているそうです。 このようにTERAKOYAでは生涯教育活性化のため様々な活動が行われています。
交流会
夕食は醸室内の南無庵という店で、おいしい洋食、ビールでおなかいっぱい楽しい夕食を過ごしました。 古川ガスの明治大学OB木村さんが歓迎してくださったのですが、なんと古川には明治大学OB・OGの方がたくさんいるそうです。
(第1日報告 執筆:遊佐 愛)
★報告 第2日
1日の流れ古川を出発→松山町→株式会社一ノ蔵 訪問→仙台市→NPO法人 仙台夜まわりグループ 訪問→交流会(夕食)→宿泊(仙台市内)
一ノ蔵訪問一ノ蔵はNPOと協力し、環境保全米を使用した日本酒を製造・販売していることから訪問し、代表取締役名誉会長である浅見紀夫さんに話をお伺いしました。浅見さんからは、一ノ蔵創設の歴史、環境保全米による酒造りをはじめた背景とこれに関する「NPO法人 環境保全ネットワーク」との協働の詳細、また一ノ蔵による「一ノ蔵微生物林間学校」等の地域や顧客への活動の詳細といった、一ノ蔵の過去から現在そして将来の活動といったお話を聞くことができました。
この『環境保全米』使用の日本酒が注目されつつあります。農薬を使用していた水田を無農薬米用の水田にするには、土壌に含まれる残留農薬の影響などから最低3年はかかります。一ノ蔵では農薬使用の農家に対し無農薬米への切り替えのアプローチを行い、無農薬米と無農薬米に至る減農薬・減化学肥料の米を「環境保全米」として取り扱い、日本酒の製造を始めました。販売当初は販売数に伸び悩んでいたようですが、NPO法人 環境保全ネットワークと連携し、販売促進活動を行っていったことで一気に人気商品となりました。私達はこのNPOとの連携による環境保護・販売促進の成功事例を直接お聞きすることが出来ました。
仙台夜まわりグループ訪問松山町を出発し、仙台に到着。昼食の後に『NPO法人 仙台夜まわりグループ』を訪問しました。こちらでは夜まわりグループ運営の中心である青木さんご夫妻にお話を伺いました。仙台夜まわりグループで路上生活を余儀なくされているホームレスや生活困窮者に対し、カレーの炊き出し・食事会・日用品の配布などの生活支援、また相談支援・居宅提供・就労支援などの自立支援を行っています。青木さんは夜まわりを行い始めた頃から今に至る仙台市内のホームレスの実情や、NPO法人格取得の経緯、そして夜まわりグループを運営するに当たっての行政との関係性を中心に多くのことを説明していただきました。
ホームレスは単に家がないという意味ではなく、故郷・家族がないということが極めて重要な意味を持っており、仙台市内のホームレスは特にこの意味合いが強いということでした。仙台市内のホームレスは東北各地から来るほかにも、集団就職で上京した人が退職して戻ってくることもあるそうです。 故郷・家族などの社会との関係を持たないホームレスに対し、行政は3ヶ月という期間での自立を促しています。これは大変困難なことであり、夜まわりグループは行政側に幾度となく提言を行ってきました。その結果、現在は行政と定期的に話し合いを行い、委託事業も行うようになりました。しかし、大切なのは行政と夜まわりグループはスタンスが異なることから、互いに密着し過ぎず、また夜まわりグループとしては行政委託を活動の重きにしてはならないとのことでした。行政とNPOとの関係性について、大変重要なことであると感じました。
交流会仙台夜まわりグループの訪問が終了した後に、仙台市内の牛タンの店で交流会を行い、その後ホテルで就寝となりました。合宿の目的を達成した後ということからか、皆で大いに盛り上がりました。
(第2日報告 執筆:吉武 遼一)
⇒ 2005年 ゼミ合宿報告
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