小関ゼミ 非営利マネジメント/マーケティングの世界へようこそ
 

2023年 2年ゼミ合宿

今年度は初めて2年生の合宿を行いました。
3年生の合宿は通常、ゼミ生が話し合って行先を決めていますが、今回の2年生の合宿については教員(小関)の独断で、「横須賀西海岸体験たび」に参加してもらうことにしました。
おそらく、ゼミ生の話し合いに任せたら選ばないであろう(そもそも知る由もないだろう)と思われるこの「体験たび」ですが、これは地域活性化を考えるうえで大きなヒントを くれるに違いないと期待したため、いささか異例ではありますが試行してみることにしました。
横須賀といえば普通は軍港や基地といったイメージを思い浮かべますが、横須賀市の中でも相模湾に面した西海岸のエリアは、軍港のある東海岸とは全く違い、キャベツ畑が遠くまで広がり、 漁港ではアジが水揚げされる農漁村です。
観光地としてはほとんど知名度がなく、著名な観光地に恵まれてはいませんが、そうした地域であっても住民主導で観光客を集める努力がなされています。それがこの「体験たび」です。
観光客を引き寄せるものは、遊園地やテーマパークだけではありません。非日常の体験や、住民の方々との心温まる交流は、著名な観光施設がない地域でも可能です。
横須賀の体験たびは、「横須賀西海岸体験たび推進協議会」という地元住民団体が中心となり、JTB横須賀支店が事務局を務めるという、全国的にも珍しい体制で、外向けには協議会の事務所が市役所観光課に あるということになっていますが、実際には民民連携で機能しています。
横須賀の体験たびは、主に中高生の修学旅行を受け入れていますが、近年では台湾やインドネシアなど海外の若者を多く受け入れるようになり、身近で等身大の国際交流が進んでいるようです。
横須賀の体験たびは、横須賀市都市政策研究所『政策研究報告 都市近郊型農泊の継続性確保――横須賀西海岸モデルの可能性』(2018年3月)や、 牧瀬稔編著『地域ブランドとシティプロモーション』(東京法令出版、2019年)でも先駆的事例として紹介されています。
今回の体験たびを受け入れていただいた推進協議会の役員及び受け入れ家庭の皆様、また事務局として協議会と私たちをつないでくださったJTBの担当者の方々には、多大なご協力をいただきました。
1泊2日の貴重な体験をすることができました。この場を借りて深く感謝を申し上げます。(小関)

【学生の感想文(1)】 【学生の感想文(2)】

★合宿の流れ


日時:2024年2月7日〜8日 (1泊2日)
行き先:神奈川県 横須賀市

参加者:2年生13名、教員(小関)

●合宿のスケジュール

1日目(2月7日)

11:00 「長井コミュニティセンター」にて現地集合
11:00〜13:00 長井コミュニティセンターにて昼食づくり・昼食
13:00〜15:00 昔遊び(凧作り)
15:00 「ソレイユの丘」に徒歩で移動
15:30〜「ソレイユの丘」長井ベースにて入村式、露天風呂に入浴
    その後、各自受け入れ家庭に移動、宿泊

2日目(2月8日)

 10:00 「ソレイユの丘」に集合、離村式
10:30〜11:30 振り返り、意見交換
終了後現地解散

●昼食づくり体験・昼食

当日朝に、長井漁港で水揚げされた新鮮なアジを提供していただきました。
アジを三枚おろしにして、アジフライを作りました。
また、地元産の野菜を使ったけんちん汁を作りました。
長井水産の社長さんには直々に、魚さばきを実演・手ほどきしていただき、学生が初めての三枚おろしに挑戦しました。
推進協議会の役員の方と、元受け入れ家庭の方々には早朝から、昼食づくりの準備作業をしていただきました。
ひじきやオカラなどの手料理もご馳走になり、美味しくいただきました。とても和やかな昼食会となりました。

             

●凧作り・凧あげ

和紙と竹ひごを使った伝統的な凧作りに挑戦しました。
体験たび推進協議会会長の山田さんに、凧作りの手ほどきをしていただきました。
作った凧を、近くの広場で揚げました。天気が良く穏やかな陽気で、外で遊ぶには格好の日和でした。
小さい頃に凧を作ったことを思い出しながら、童心にかえった楽しいひと時を過ごしました。
竹とんぼ作りの材料も用意していただいていましたが、作る時間の余裕がなく、材料だけいただいて帰りました。
             

●入村式

凧あげの後は、「ソレイユの丘」という公園で、入村式を行いました。受け入れ家庭の方と対面する儀式です。
推進協議会会長の山田さんから「お帰りなさい!」のごあいさつ。この地域を”第二の実家”と思って、帰ってきてもらう。翌朝は「行ってらっしゃい」と送り出す。
いつも、そんなふうに受け入れていただいているのだそうです。体験たびが終わった後、受け入れ家庭との交流が続いている生徒もいるとのこと。
入村式の後、ソレイユの丘の中にある日帰り入浴施設(露天風呂付)で、海の見える景色を眺めながらゆったりしました。
ちなみに、この「ソレイユの丘」は「農業体験型総合公園で、公園事業としては全国初のPFI方式を導入し建設したもの」だそうです。

   

●受け入れ家庭にて

学生は5世帯の家庭に分かれて1泊し、楽しく交流しました。


●離村式と振り返り

2日目午前は、再び「ソレイユの丘」に集合して、「離村式」を行い、集合写真を撮りました。
通常の体験たびはそこで終了しますが、今回のゼミ合宿では離村式の後に振り返りとして、意見交換の場を設けました。
学生がこの体験たびに参加してどう感じたのかを共有し、あわせて、受け入れ家庭を増やすにはどうしたらいいのかについて、意見交換をしました。
この振り返りには、推進協議会役員とJTBの方から、体験たびの活動を取り巻く情勢と今後の方向性についてお話しいただき、学びを深める機会となりました。

     

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